おいしそうだね、 って にっこり笑って白蘭さまが私を見る。 ううん、正確には私の手にあるバニラアイスのカップを見ているんだろうけど 喉を通った溶けた甘い液体がやけにつめたい気がして 胸がドキリとした。 私の食べかけでよければ、一口いかがですか? なんて、精一杯の勇気で口にしてみるも 白蘭さまはあっさり首を横に振った。 せっかくのおやつだもの、最後まで堪能してあげて。だって その言葉に 恥ずかしくて死にそうなくせして、残念な気持ちがむくむくわいてしまった 乙女心とはなんとも複雑である。 ちらりちらりと盗み見る彼の姿、失礼になるかもしれないと思っても、どうにも止められなくて。 髪がきらきらしてるなあとか まつげがすっごく長いなとか、肌がすごく白いこととか、 柔らかそうな唇がゆるりとした弧を描いていることとか…すごくキレイ そう思ってたら 目が合ってしまった。 慌てて俯いて、今の自分の行動が羞恥心でいっぱいにさせる。 「ねえ、ボクを見てちゃん」 自分の頬がカッと熱くなるのが判る 名前を呼ばれることがこんなに嬉しい事だと思ったのはこの人に出会ってからだ。 私の向かいに腰を下ろした白蘭さまは 相変わらずの笑顔でこちらを見ている。 一方の私はというと、一点に視点を定められず ソファの足、テーブルの足、白蘭さまの足、と右往左往。 白蘭さまが足を組みかえると、隊服の布が擦れる音がしてそれにすら反応してしまう そんな私の動揺に気がついているようで、白蘭さまは至極楽しそうだ。 「美味しかった?」 最後の一口を舌に運んだ私を見て、白蘭さまがそう言う。 素直に頷けば それは良かった と言ってまた彼は笑う だってすごく甘くて美味しそうだもの、と ペロリと舌を出す白蘭さま。 こういうことすると正チャンに怒られちゃうかもしれないね。って 白蘭さんが笑うから、なんの話か聞き返そうとしたのに 言葉半ばで口をつぐまれる 「それじゃあ 御馳走様。」 相変わらずの、笑顔。 去り際に耳打ちされた言葉が頭の中でぐるぐるしてる なにされた私白蘭さまに、だいすきな白蘭さまに ねえ、神様! 7days×Crazy×24hours (2009.11.30 Alice) |