いたい? 白蘭様が私の腕に歯を立てて言う。 ううん、首を横に振ればそうと返ってきた。
ギリッ、と肉を絞める音が聞こえて、さっきよりもうんと鋭い感覚。
そうしてもう一度、彼は いたい?と笑った。 でも私は同じように首を振る。
私の反応に彼はつまらなそうな顔をしてまたそう、と呟いた。
つまんないなあ と白蘭様は表情のとおりに口を尖らせた。
もうやーめた、と彼が口を離す 私は思わず「あ」と漏らしてしまった。
そしたら白蘭様がとたんに嬉しそうに笑って、私の胸はきゅうっと縮こまる。
もういっかい?彼がそういうから、私は素直にうんと頷いた。
そうして今度は私の首筋に彼は口付ける。
踊らないふたり
(2009.12.01 Alice)