「ー! 久しぶりー!!」 夕焼けに染まる海と砂浜のオレンジの境目をそわそわと彷徨う私の背中からとびっきりの声が飛んできて、 私が振り向くのと同時に茶色くてぴょこぴょこした髪の毛が視界いっぱいに広がった。 背丈とか服装とかすっかり変わっちゃってるのに、その仕草や匂いなんかは全然あの時のまんまで私は再会の嬉しさより可笑しさの方が勝って、 飛びついてきたソラを抱きとめながらくすりと笑った。 「ソラお帰り! なんかおっきくなったねー」 「だろー。身長なんかもうんと伸びて、今じゃよりもほら」 そう言ってソラは私よりも少し上の目線でこんなに違う、なんて嬉しそうに笑う。 そうして目があって、ソラは改まったように畏まって気を付けをして「ただいま」なんて言うから私はまた可笑しくなって笑った。 なんで笑うんだーとかなんとか言ってる内にカイリが向こうのほうでソラを呼んで、ほらお姫様が呼んでますよって肘で軽く小突いたら、 ソラは少しだけほっぺたを赤くして小走りで行ってしまった。 そして残されたのは先ほどからずうっと無言の、リク少年 いや改めリク青年と私で 2年の歳月はより一層彼を魅力的にしていて、久しぶりに会う緊張と相まってなんと話しかけたら良いものか判らず、私は足元の砂を見つめる。 ……沈黙。 「えっとその、リクも、 おかえ り」 会えない間はあんなにももどかしくて、私にだってきっとなにか出来る事があるだなんて無鉄砲に飛び出したくもなったものなのに いざ待ち焦がれたその姿を目の前にしてしまうと、何故だかとてもよそよそしい自分が情けなかった。 本当はソラが私にしたみたいに飛びついて、抱きしめて、おかえり、ほんとにほんとに心配した、バカヤロー! って言ってやりたいのに のに… 「リクも2年の間に随分大人になったね、背も伸びたし、髪も伸びたし、昔以上にもっと格好良くなっちゃって」 リクの瞳が私を見る。 思わず私の視界が涙でにじんだ。 ああもう、私 格好悪い 「あいたかった」 って、次々に溢れる涙の途中にようやくそれだけ絞り出したらリクが私を両腕に閉じ込めて、 その腕の逞しさとか、背丈の違いになお一層現実を感じて私はまた泣いた。 「は大人になったって言うけど、意外と そうでもない」 知っているかい? お前がソラと楽しそうに笑うだけで、相変わらず子供染みた嫉妬をしてしまうんだ (2012.08.15 Alice) |