「ちゃん、一緒に寝てもいい?」
現実どおりパソコンに残っていたレポートを書いていたところで、可愛い訪問者がやってきた。
片手にはちゃっかり枕まで持参の上で、しろくんは少しだけ首を傾げてみせる。
もちろん、と私が頷いて見せれば、しろくんは嬉しそうに中へと足を踏み入れた
ベッドの私の枕を少しだけ横にずらして、その隣にしろくんの青色の枕が並ぶ。
ベッドサイドにおいてあった私の飲みかけのホットレモンに少しだけくちをつけて、
しろくんはお布団の中にもぐりこんでいく。
「まだ寝ない?」
「ううん、しろくんが来たからレポートはおしまい。」
もぐりこんだお布団から、少しだけ顔を出してしろくんが瞬きをする
私はと言うと、つまらないレポートをさっさと保存してパソコンにさようなら。
部屋の明かりを小さくして、私もしろくんのお隣へ体を滑らせれば、
しろくんはにこにこご機嫌そうにかわいい顔で私のことを見ている。
「僕、ちゃんのそういうとこスキ」
「可愛い弟とレポート、そりゃ弟の方が大切だもの」
最近わかったのは、しろくんは割とスキンシップが好きだという事。
なにかあると今みたいにぺったりくっついたり、手を握ってきたり、などなど
ふわふわ柔らかいねこっ毛を撫でてあげながら目を閉じる。
ちょっとだけの沈黙のあと、しろくんが急にあっと声を上げた。
「どうかした?」
「アツヤには内緒ね、すぐやきもちやくんだもん」
「ふふ、うん、わかった」

(2010.04.20 Alice)
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