『今日はよろしくおねがいします。 みぃちゃんがまた余計なこととか言うかもしれないけど
 あんまり怒らないであげてね。 じゃあ、あとでまたメールしまーす』




朝7時ぴったり、身支度を整えてから私は1通のメールを送った。
あて先は大好きな幼馴染2人にむけて
一人には余計にもうひとつハートの絵文字を追加したりなんかして、
これを知ったらまたみぃちゃんがだだっこみたいに怒るなあとか考えたらちょっと頬が緩んだ



ーそろそろ出っぞー」

「はぁーい」


まったりくつろいでいたみぃちゃんのベットとお別れをして、
下で呼んでる声に1段飛ばしで階段を駆け下りる。
あら今日も仲が良くて何よりだわあってにこにこしてる小母さんにいってきまーすって声をあげて、
先に外に出てしまったらしい背中目掛けて思いっきり飛びついた。


「みぃちゃん、今日は冥ちゃん達と練習試合だね」
「あーはいはい、 お前は一昨日からそればっかだな」

「どっちが勝つかなあー」
「馬鹿なこと聞いてんなよ、 そもそもお前は俺のマネージャー」

いやいや、私華武高野球部のマネージャーではあるけれども
みぃちゃん専属マネージャーになった覚えなんてありませんけれども。


風船ガム膨らませながら発車した自転車の後ろからみぃちゃんの表情を肩越しに眺める。
ガシャンと音を立てるみぃちゃんのバットケースをしっかり持ち直して、
子供の頃に比べて随分大きくなった背中にぺたりと頬をくっつけたら私を呼ぶぶっきらぼうな声。


「みぃちゃんおっきくなったねえ」
「そりゃ、高校生ですし」

「子供の頃に比べたらずーっと身長も伸びたし」
「成長期ですし」


「そしていつのまにか尚更おませな中身になってた」




「まあ、そりゃ  オトシゴロ ですし?」




(2010.10.30 Alice)