「もお、真面目に試合に集中しなさい」
「いやだってけしからん球体がこっちにも」
「っやあ」

「ミヤ次おまえ゛の打順」
「い゛っ!!!」


くそつっまんねー予選試合の真っ只中、
試合状況は相変わらず屑桐さんのピッチングにゴロひとつ打てない相手打線と
下位打線のバッターすらまともに抑えられない駄目投手陣で正直練習にすらならない感じ。
つまんねーしだりーから唯一の癒しであるベンチマネージャーに入ってる
制服の中を弄っていたりなんかしたら突然背中にすげー衝撃


「あ、白くん。ありがとー助かったあ」
「ミヤはちょっと目を離ずとこれだからな゛」


前かがみになって痛みに耐えながらゆっくり振り返れば、
そこには今ホームに帰ってきたばかりの久芒センパイが冷徹な顔で俺を見下ろしていた。


「じゃあ、ちゅーし」
「もう一発おみ゛まいされたいングか?ミヤ」

「じょっ、じょーだんっすよ!」


目がマジだ、マジ 人が殺せる。


キラリと光る目をした久芒センパイの顔を見て、俺は慌ててベンチから飛び出した。












「白くん、  ぜったい  皆で甲子園 いこうね」




(2010.10.30 Alice)