![]() 「みいちゃん私にもそれ一口ちょーだい」 「ん、 あーんて口あけるならな」 「あーミヤだけ良さ気! 俺にもくれ(^∀^)ノ」 「・・・お前達、遠足じゃないんだぞ」 「はーい 屑桐さん」 例のあの『犬飼音信不通事件(命名)』からはや数日。 今日は十二支VS黒撰の試合の日であり、俺たち華部野球部も屑桐さんの指示でここ大宮球場足を運んでいた どうでもいいけど結局あれから今日まで犬飼のヤローと連絡はついていないらしく 相変わらずどこか心配顔を隠せないで居るは先程から試合開始の時間が待ち遠しいようでそわそわと落ち着きが無い ことあるごとに『冥ちゃん大丈夫かな』とか『冥ちゃん今日投げるのかな』とか 口を開けば 犬飼 犬飼 犬飼でちょっといい加減イライラしていた所だった。 漸くついに、球場が騒がしくなる 「みぃちゃん!みて!冥ちゃん!冥ちゃんだよ!」 「いちいち言われなくても見りゃわかるって」 十二支ナインに混じってグラウンドに出てきたヤツの姿を見るなりが立ち上がる。 こんな歓声の中じゃ聞こえるはずも無いのに声張り上げて、冥ちゃーん だって すると近くにいたチアリーダーみたいな集団がもの凄い形相でギッとを睨みつける(なんだあれコエー) 「に、睨まれた」 「はいはい、大人しく座ってみてましょーね」 チアリーダー集団の勢いに押されてか意気消沈した様子のはしゅんと縮こまる。 俺はそんなの両脇を抱えて、ちゃっかり自分の足の間に誘導して、両腕はその身体をしっかり抱え込む。 その瞬間に一気に顔を赤くするがおかしくて、にやにやしながら見下ろしていると 後ろから凍てつくような視線を感じて思わず身震いをする。 「もここがいーよな? 落ち着いて見られるもんな?」 先日のような痛烈な一撃を食らうまい、と先手を打ってに話し掛ける。 一方そう声を掛けられたはあうあうしていてなんとも言えないご様子で、 畳み掛けるように『みぃちゃん好きだもんな?』って優しく嗜めると おずおずと首を縦に振った。 これでとりあえず、 俺の尻の安全は保障されたわけで。 「ちゃっかり服の中に手いれないでー!」 さて、後はどう化けてくんのかねえ 『冥ちゃん』? |